景色を受けとめる台形の家
Framing the Landscape, Composing Stillness
静岡県浜松市に建つ、木造2階建ての住宅です。台形の敷地形状を受けとめ、その輪郭に沿うように平面を構成することで、敷地の個性を住まいのかたちへとつなげています。
お施主様からは、浜松の良さを日々感じながら、家族と自然が穏やかにつながる住まいにしたいという要望がありました。自宅としての親しみやすさと、ホテルに滞在するような特別感をあわせ持ち、ゲストがまた訪れたくなるような場所であること。長く住み続けても飽きることのない、静かで奥行きのある空間が求められました。

基本計画は岡田哲史建築設計事務所が担当し、建物の大きな構成や、リビング・階段・吹抜けの位置関係など、住まいの骨格が整理されました。その計画をもとに、アレンジルート建築設計事務所では設計・監理を担当し、各部の寸法調整、施主要望の反映、実施設計、細部の納まり、現場での確認へと進めています。
室内は、グレーを基調にグレージュのやわらかなニュアンスを重ねた、落ち着きのある空間です。壁・天井・床の色調を近いトーンで整えることで、空間全体に静かな連続性を持たせました。色数を抑えた構成により、素材の質感や光の入り方、窓の外に広がる景色が自然に引き立ちます。





大きな開口部からは、外部の緑や空の明るさを取り込み、自然景観をインテリアの一部として感じられるようにしています。室内と外部を強く切り分けるのではなく、視線や光を通して緩やかにつなぐことで、日々の暮らしの中に浜松らしい自然の気配を取り込んでいます。
階段まわりには、黒い鉄骨手摺の細いラインと濃色の木部を組み合わせ、淡いグレージュの空間にほどよい緊張感を加えました。タイルの床や石のカウンター、木の造作、黒のラインを重ねることで、静かな中にも住む人の感性がにじむ空間としています。
内装デザインはお施主様が担当され、造作家具やマテリアルの選定にもその感性が反映されています。過ごしやすい日常性と、来客を迎える場としての高揚感。その両方を大切にしながら、光や緑、素材の質感が穏やかに響き合う住まいとなりました。



